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—「契約書に免責を書けば大丈夫?」の本当のところ—
最近のニュースで、築古物件の火災や外階段の崩落など、老朽化による事故が増えているという特集を見ました。
長く建物を維持していくむずかしさを感じる一方で、「うちのアパートも大丈夫かな…」と心配されるオーナー様も多いだろうなと、胸がぎゅっとしました。
今日はそんなご相談の中でも特に多い、
「契約書に“事故が起きても貸主に責任を問わない”と書いてしまえば大丈夫ですか?」
というテーマについて、私なりに分かりやすくまとめてみました。
(※記事内容は掲載時点の法律に基づきます)
建物を賃貸すると、賃料を受け取る代わりに
「入居者が安全に使える状態を維持する義務」
が貸主にあります。
たとえば、外階段が腐食して危険な状態のまま放置し、入居者がケガをした場合――
これは「必要な修繕を怠った」と判断され、オーナーは損害賠償責任を負います。
入居者の安心・安全を守るのは、貸主として欠かせない役割ですね。
賃貸人が建物の所有者である場合、
建物の欠陥による事故は“無過失でも責任を負う” とされています。
外階段や屋根、手すりが老朽化して落下・破損し、入居者がケガをした場合、
オーナーが「知らなかった」「気づけなかった」としても責任が生じる可能性があります。
だからこそ、古い物件はこまめな点検が本当に大切です。
結論から言うと…
ただし、状況によっては有効になるケースもあります。
貸主・借主が 法人同士 の契約
借主が 事業目的 で借りている場合
このような場合、免責特約が認められることがあります。
借主が個人で、
生活のためにアパートを借りる場合(消費者)
——ここでは 消費者契約法が適用されます。
消費者契約法では
「事業者の損害賠償責任を全部免除する特約は無効」
と明確に定められています(消費者契約法8条)。
つまり、
個人向けの住居賃貸契約に“事故が起きても貸主に責任を問わない”は使えません。
賃貸業を行うオーナーは事業者とみなされる
個人入居者は消費者
事業者側の責任を全て免除する条項は無効
瑕疵担保責任(欠陥による損害)の免除も無効
さらに、法改正によって
不当な契約条項に対して、適格消費者団体が差止請求できる
仕組みも整っています。
入居者の権利を守る時代へと確実に進んでいますね。
私がお伝えしたいのは、
「免責条項でリスクをゼロにすることはできない」という現実 です。
だからこそ大切なのは、
建物の定期点検
早めの修繕
共用部分の安全確認
火災保険・施設賠償責任保険の加入
そして何より、
誠実に説明してくれて、建物管理の提案までしてくれる不動産会社と一緒に進めること。
“困ってから相談”よりも、“困る前に対策”がいちばん安心です☺️
老朽化が進むと、オーナーとして心配は尽きないもの。
でも、正しい法知識と適切な対策をしていけば、入居者の安全も守れますし、オーナー自身のリスクも大きく減らせます。
もし「具体的に何をしたらいい?」という場合は、
状況に合わせてアドバイスもできますので、いつでも相談してください。