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屋上の広告塔が使えない?


— 説明されていた賃料収入が得られない場合、損害賠償はできる? —

最近、「景観条例の強化」や「屋外広告物規制の見直し」がニュースでも取り上げられることが増えました。
街並みを守るための動きが進んでいるのは素敵なことですが、一方で、不動産の収益に影響が出るケースもあるため、オーナー様からのご相談も以前より増えたように思います。

今日はその中でもとても多い質問、
「屋上広告塔からの賃料収入も説明されたので購入したのに、実は広告物の掲出が条例で禁止されていた…これって損害賠償できるの?」
というテーマを、とてもわかりやすくお話ししてみます。

もちろん、法律は時期によって変わることもあるので、最新のご確認は必ずお願いしますね。


■ 結論:売主である宅建業者に損害賠償請求できます

テナントビルや収益ビルを購入するとき、
「どれだけの賃料収入が得られるか」 は、一番重要な判断材料です。

もし売主(宅建業者)が、
「屋上の広告塔から月額○万円入りますよ」
と説明した上で物件を販売したのに、

実際には
条例で広告物そのものが掲出できない地域だった
という場合——

これは 売主の調査説明義務違反 となり、
損害賠償請求が認められる可能性が高い とされています。


■ なぜ売主に責任があるの?

▶「調査して説明する義務」があるからです

本来、契約するかどうかを判断するための情報は、買主自身が集めるのが基本です。
でも、不動産取引は専門知識が多く、買主だけでは調べきれないことも少なくありません。

特に売主が宅建業者の場合は、

  • 法令上の制限

  • 効率的に使えない可能性がある設備

  • 収益に影響する項目
    などについて、信義則上の調査・説明義務 が課されると考えられています。

そして、屋上広告塔のように、
説明された収益の一部を占める項目が、実は条例で禁止されていた
となれば、それは収益に直結する大問題です。

そのため、宅建業者は
「広告物が出せる地域なのか」
を事前に調べ、説明する義務があるのです。


■ 実務で特に注意したいポイント

今回は裁判例の内容をベースにしていますが、
実際のテナントビルの売買でも同じことが十分起こり得ます。

たとえば——

  • 大通り沿いで、広告塔の収入が魅力と言われて購入

  • でも後から「この地域は屋外広告物禁止区域です」と判明

  • 結果、予定していた広告収入がゼロに…

このようなケースは、
“利回りの根拠となる収益” が成り立たない ため、
売主の説明義務違反が認められやすい内容です。


■ 不動産会社の誠実さが本当に大切な理由

不動産って、建物自体よりも
「どんな使い方ができるか」
で価値が変わってしまうもの。

だからこそ、私はいつも、
「わかりにくい法令部分こそ丁寧に説明すること」
が不動産会社の誠実さだと思っています。

特に、

  • 屋外広告物条例

  • 景観条例

  • 都市計画上の規制
    などは、買主が自分だけで把握するのは難しい領域です。

売主側がしっかり調べ、必要な情報をきちんと説明していれば、
トラブルは本当に少なくなります。

オーナー様と同じ方向を向き、
“リスクも含めて正直に伝える”
こういう不動産会社がもっと増えたらいいな…と日々感じています☺️


■ さいごに

屋上広告塔の収益に限らず、
収益物件のお話は「数字」だけでは判断できない部分がとても多いもの。

少しでも気になる点があれば、
事前に専門家に相談することで、大きなトラブルを避けることができます。

  • 既に購入した物件での収益トラブル

  • これから購入する物件の収益の見方

  • 法令に関する事前調査のポイント

など、気になることがあれば、いつでもお話しくださいね。

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